|
今年もまたクリスマスのシーズンがやってきた。街角にはクリスマスツリーが飾られ、クリスマスソングが流れている。宵の西空には、はくちょう座の北十字が地平線上に立って見え、いっそう雰囲気を盛り上げてくれる。
イエス・キリストの降誕を祝うこのお祭りを12月25日に行うようになったのは、もともと春の到来を待ち望み、太陽の復活をお祝いする冬至祭りがキリスト教化されたものである。
ところで、クリスマスツリーのいちばん上には大きな星が必ず飾られている。この星は「ベツレヘムの星」と呼ばれるもので、新約聖書によれば、キリストが誕生した時、空には非常に明るい星が輝いていたと記録されているところからきている。
この星の正体については多くの人々が関心を寄せており、考えられるものとしては、突然現れた超新星(大質量の星がその最期に大爆発し劇的な死を迎える)や、大彗星(ほうき星)の地球接近、あるいは惑星の会合、つまり木星や土星、金星が接近して見えていたとするものなどの説があるが、残念ながら正確なことは分かっていない。
また、クリスマスの装飾によく使われる西洋ヒイラギ(ホリーの名で呼ばれる)は、硬い緑の葉に赤熟した丸い実が美しく映え、ホリー(Holly)が「神聖な」を意味する“holy”に似ていることからも、クリスマスにふさわしい植物として用いられるようになったと思われる。
なかなか晴れることの少ないこの時期ではあるけれども、晴天に恵まれれば、一年中で最も華やかな冬の星空が、天からの素敵なクリスマスプレゼントとなることだろう。
|