天文コラム「星空のかなたに」
vol.20 星占いの12星座

星占いの星座は、自分が生まれた時間(誕生日)に、太陽がみかけ上どの星座の中にあったかで決まる。ここではその12星座の、ギリシャ神話の中でのキャラクターを紹介しよう。

おひつじ座 大神ゼウスに仕える金毛の空飛ぶ羊で、継母に殺されそうになった王子と王女を救った。
おうし座 大神ゼウスが美女エウローパに愛を告白するために変身した、海を渡る白牛。
ふたご座 戦いで兄のカストルが死んだ後、自分だけ不死身な弟のポルックスは嘆き悲しみ、大神ゼウスにお願いして二人いっしょに星座にしてもらった。
かに座 英雄ヘラクレスの怪物ヒドラ(海蛇)退治の際、英雄に踏みつぶされた大がに。
しし座 英雄ヘラクレスに退治された、恐ろしい人食いライオン。
おとめ座 農業の女神デーメテールの姿で、左手に麦の穂を持つ。
てんびん座 正義の女神アストレーアが捧(ささ)げる天びん。
さそり座 乱暴な狩人オリオンを刺した大さそり。
いて座 半人半馬の怪人が弓を射る姿。文武にすぐれ、ギリシャ神話の多くの英雄たちを教えた。
やぎ座 牧神パーンが変身に失敗した姿で、上半身はやぎ、下半身は魚になっている。
みずがめ座 トローヤの国の王子で、美少年のガニメーデスが水がめをかついでいる。
うお座 美の女神アフロディーテとその息子エロスが変身した姿で、二匹の魚がリボンで結ばれている。

古代の人々にとって、太陽の通り道にあたるこれら12の星座は特に重要であり、数多くの星座の中で最も歴史の古いものである。またさらに、当時はおひつじ座にあった春分点も、地球の自転軸のふらつきから現在はうお座に移っており、星占いで用いる星座の誕生日区分と実際の太陽の位置とが約1カ月ほどずれている。


写真=黄道12星座(新潟県立自然科学館プラネタリウム 提供)

Dec.2005


1980年3月卒 天文部OB(前新潟県立自然科学館天文学芸員)
巻高校教諭 中沢 陽

E-mail:nakazawa.yoh@nifty.ne.jp
HP(URL):http://homepage2.nifty.com/nakazawa-yoh/
テーマ曲:星空のかなたに(Copyright:中沢 陽 1995/Piano:大澤俊秀)
インデックスへ
巻高同窓会