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夕焼けはいつ見ても美しい。どうしてこんなに美しいのだろう。まるで神様が一日の労をねぎらってくださるかのようだ。その美しさは、あすへの希望と勇気につながる。
科学的には、夕焼けは太陽光線が大気中を昼間より長い時間をかけて通ってくるため、青い光が大気の分子によって四方八方に散らされ、残りの赤や黄色の光が空を染めるため--と説明される。さらに、空気中の水蒸気やチリの量によっても、その色合いが異なる。昔から夕焼けであしたの天気を占ったように、夕焼けの微妙な空の変化は、実ははるかかなたの大気の状況を表している。
太陽光線と地球の大気が織りなすドラマは、毎日繰り返されているにもかかわらず一つとして同じものがない。
春がすみの中に夕日がいつしか消え、うす紫色に雲を染める春の夕焼けには趣きがある。
新潟から見て、太陽が佐渡に沈む夏の夕焼けは多彩であり、その手前に大きく横たわる残照の日本海は神秘的だ。
佐渡をはずれ、日本海に落日する秋、光線は水平線すれすれにやってくる。夕映えの町並み、見事な空のグラデーション。まさに至福のひとときだ。
たそがれの中、赤く染まった白鳥が群れをなし、ねぐらへ帰っていく冬の夕暮れは、いい知れぬ美しさとともに、さびしさをも感じさせる。
四季折々に違った顔を見せる新潟の夕焼けは、県民共有の財産である。 |